資産運用に興味はあるけれど「まとまった資金がない」「リスクを抑えて始めたい」と考え、なかなか始められない方も多いのではないでしょうか。
預貯金だけでは資産が目減りする可能性があるため、少額からでも資産運用を始めることをおすすめします。
本記事では、少額でも資産運用を始めるべき理由やおすすめの運用方法を紹介します。
運用する際のポイントも紹介するので、将来のお金の不安を軽減したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
少額でも資産運用を始めるべき理由

少額からでも資産運用を始めるべき理由は、以下の3つです。
- 預貯金だけでは資産が目減りするリスクがある
- 少額でも資産を増やせる可能性がある
- 大きな損失を受けるリスクを抑えられる
それぞれ詳しく解説します。
預貯金だけでは資産が目減りするリスクがある
普通預金の金利は0.2%と低く設定されているため、銀行にお金を預けているだけでは、資産がほとんど増えません(2025年6月13日現在)。
モノやサービスの価格が上昇するインフレが進むと、預貯金の実質的な価値は下がってしまいます。
たとえば、1万円の商品が1万500円に値上がりすると、1万円の預貯金では購入できません。
この状況では、預貯金をしていることで500円分の資産が目減りしていることになります。
このようなインフレに対応するためには、資産運用などのインフレ対策をすることが大切です。
少額でも資産を増やせる可能性がある
複利の効果を活用すれば、少額でも資産を増やせる可能性があります。
複利とは、投資で得た利益を元本に加えて再投資することで、雪だるま式に利息が利息を生んでいく仕組みのことです。
資産運用を長く続けていくことができれば、複利によって資産を大幅に増やすことも可能です。
大きな損失を受けるリスクを抑えられる
少額投資では、損失が出たとしても生活に大きな影響を与える心配が少ないです。
まとまった資金を運用しているときは「損をしたらどうしよう」という不安が大きくなりますが、毎月数千円といった少額であれば、心理的ハードルを下げて気軽に始められます。
また、少ない金額で市場の値動きや投資のリスクを体験しておけば、投資額を増やすことへの抵抗も少なくなっていくでしょう。
少額から始められる資産運用3選

少額から始められる代表的な資産運用方法は、以下の3つです。
- 投資信託
- 株式累積投資
- 単元未満株
それぞれ詳しく見ていきましょう。
投資信託
投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を専門家が株式や債券、不動産などのさまざまな資産に投資・運用する金融商品のことです。
投資家は、運用成果に応じた分配金を受け取れます。
投資信託は、100円から購入できるものがあるので、投資初心者でも気軽に始めやすい資産運用方法です。
専門家が複数の銘柄や資産に分散して投資してくれるため、投資に関する専門知識がなくても、分散投資によるリスク軽減効果が期待できます。
ただし、専門家に運用を任せるための信託報酬といった手数料がかかるので、信託報酬の低いファンドを選んでコストを抑えることが大切です。
株式累積投資
株式累積投資とは、毎月一定額を積み立て、少しずつ株式を購入していく投資方法です。
通常の株式投資では、単元株と呼ばれる最低購入単位があり、数万円以上の資金が必要になりますが、株式累積投資では月1万円から株式を購入できます。
価格が高いときは少なく、低いときは多く買う「ドルコスト平均法」によって、平均購入単価を抑えられ、高値掴みのリスクを軽減できるのも嬉しいポイントです。
ただし、売買タイミングを自分で決められなかったり、通常の株式投資に比べて手数料が割高になったりするので注意しましょう。
単元未満株
単元未満株は、通常の株式投資で取引される単元株に満たない株数を売買する方法です。
株式を1株から購入することもできるため、数百円や数千円といった少額から始められます。
複数の企業の株を少量ずつ購入することで、リスクを分散させることも可能です。
ただし、単元株に満たないため、株主優待を受けられなかったり、証券会社によってはリアルタイム取引ができなかったりするデメリットがあります。
リアルタイム取引をしたい場合は、対応している証券会社を選ぶようにしましょう。
少額で資産運用をするときのポイント

少額で資産運用をするときは、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 投資目標を明確にする
- 長期・積立・分散投資を意識する
- 新NISAやiDeCoを活用する
それぞれ詳しく解説します。
投資目標を明確にする
まずは「何のために」「いつまでに」「いくら」資産を増やしたいのかの投資目標を設定しましょう。
たとえば「30年後の老後に備えて600万円を貯める」「5年後に車を購入するための頭金として30万円を貯める」といった具体的な目標があれば、運用計画を立てやすくなります。
目標を明確にすることで、適切なリスク管理や投資のモチベーション維持をしやすくなるでしょう。
長期・積立・分散投資を意識する
資産運用をする際は、短期的な値動きに一喜一憂せず、数年〜数十年間の長期運用を心がけることが大切です。
運用期間が長いほど、複利の効果で資産を効率良く増やせる可能性があります。
また、毎月決まった金額を積み立てて投資することで高値掴みを避けられます。
損失リスクを軽減するためには、複数の銘柄や地域に分けて投資することも重要です。
長期・積立・分散投資を意識して、リスクを抑えながら資産を増やしましょう。
新NISAやiDeCoを活用する
少額から資産運用を始めるなら、税制優遇制度の新NISAやiDeCoを活用しましょう。
新NISAとは、投資で得た利益が非課税になる制度です。
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で運用すれば運用益に税金がかからないため、効率よく資産を増やせます。
一方、iDeCoとは、自分で掛金を拠出して選んだ商品を運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取る制度です。
iDeCoの掛金は、全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を抑えながら資産運用ができます。
新NISAやiDeCoを活用することで、効率的な資産形成ができるでしょう。
少額で資産運用をする際の注意点

少額で資産運用をする際は、以下の点に注意しましょう。
- 大きな利益を狙うのは難しい
- 手数料が運用益を圧迫することがある
- 投資できる商品が限られる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
大きな利益を狙うのは難しい
少額の資産運用は、損失を抑えられる反面、大きな利益を狙うのが難しい傾向があります。
短期間に大きな利益を得ることを期待するのではなく、長期目線をもって運用していくことが大切です。
手数料が運用益を圧迫することがある
少額投資では、取引手数料や信託報酬などの手数料が運用益を圧迫する可能性があります。
手数料を抑えるためには、購入時手数料がかからない業者を選んだり、信託報酬が低い商品を選んだりすることが大切です。
一般的に、ネット証券では手数料が低く設定されているので、ネット証券を中心に比較してみましょう。
投資できる商品が限られる
投資信託や株式は1口単位や100株単位での購入が基本となるため、少額から資産運用できる金融商品は限られています。
選択肢が限定されるため、多様な投資戦略を立てにくいという側面があることを理解しておくことが重要です。
希望の投資先が決まっている場合は、少額から始められるかを確認しておきましょう。
将来に備えて少額からでも資産運用を始めよう
預貯金だけでは、インフレによって資産が目減りするリスクがあるため、将来に備えて少額からでも資産運用を始めることが大切です。
少額から始められる資産運用方法には、投資信託や株式累積投資、単元未満株があります。
それぞれ特徴が異なるため、自身の資金額や投資目標にあった運用方法を選びましょう。
将来のお金の不安を抱えている方や、自身にあった資産運用方法を知りたい方は、お気軽にご相談ください。
監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士
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