NISA口座で資産運用をしていて「いつ売却すればいいのかわからない」といった疑問をもっている方もいるのではないでしょうか。
NISAの資産は、好きなタイミングに売却できます。
しかし、短期売買を繰り返すと、資産運用の効率が下がってしまう可能性があるので注意が必要です。
必要な資金を確保しながら、長期的な資産の成長を両立させるためには、売却タイミングを見極めることが大切です。
本記事では、NISAの資産の売却に適したタイミングや売却時のポイント、売却方法を解説します。
売却する際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
NISAの資産はいつでも売却可能

NISA口座の資産は、好きなタイミングに売却できます。
2024年1月から始まった新NISAでは、商品を売却すると、取得金額分の非課税投資枠が翌年に再利用できるようになるため、新たに別の商品への投資が可能になります。
しかし、NISAで効率良く資産を増やすためには、長期運用することが大切です。
短期間で売却すると、運用益を再投資して利益を増やす「複利効果」を活かせなくなります。
必要な資金を確保しながら資産を増やしていくためには、適切なタイミングに売却することが重要です。
NISAの資産の売却に適したタイミング

NISAの資産の売却に適したタイミングは、以下のとおりです。
- 目標金額に達したとき
- まとまった資金が必要になったとき
- 資産が大幅に増えたとき
- 投資先を変えたいとき
それぞれ詳しく解説します。
目標金額に達したとき
NISAの資産が目標金額まで増えたときは、売却に適したタイミングといえます。
目標金額に達した時点で利益を確定させなければ、価格変動によって利益が減ったり、元本割れしたりするリスクがあります。
そのため、目標金額に達したら売却して利益を確保しましょう。
当面使う予定がなければ運用を続ける選択肢もありますが、新NISAでは売却によって非課税枠が復活するため、利益を確保したうえで再投資を検討することも可能です。
まとまった資金が必要になったとき
子どもの進学費用や住宅購入の頭金といった大きな出費が必要になったときは、NISAの資産を現金化するタイミングのひとつです。
現金化する際は、必要な金額を見積もったうえで部分的に売却し、残りは運用を続けることをおすすめします。
一部でも運用資産を残しておけば、複利効果によって資産を増やしやすくなるでしょう。
資産が大幅に増えたとき
投資対象の資産が短期間に高騰し、含み益が想定以上に大きくなったときは、売却を検討しましょう。
特定の資産が高騰して資産全体に占める割合が大きくなると、資産の偏りが生まれます。
高騰していた資産が急落すると、含み益が減少することによるストレスを抱えることになるため、資産配分を見直すことが大切です。
大きな利益が出たときは、資産の一部を売却し、他の商品に再投資すれば、ポートフォリオを適切なバランスに戻すことができます。
投資先を変えたいとき
投資商品の運用成績が期待外れだったり、より魅力的な商品が登場したりして投資先を変更したいときは、売却のタイミングといえます。
損益を確定させて再投資すれば、将来的なリターンを向上させる効果が期待できます。
新NISAでは売却によって非課税枠が翌年に復活するため、新たな投資先に再投資しやすいでしょう。
NISAの資産を売却する際のポイント

NISAの資産を売却する際のポイントは、以下のとおりです。
- 暴落のタイミングで焦って売却しない
- 複数回に分けて売却する
- 旧NISAから売却する
- 成長投資枠から売却する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
暴落のタイミングで焦って売却しない
株式市場が暴落したときに、さらなる価格低下を恐れて売却するのは避けましょう。
NISAは長期的な資産形成を目的としているため、短期的な値動きに反応して売却すると、相場の回復によって利益を得るチャンスを失ってしまう可能性があります。
暴落時は積立や買い増しの機会と捉え、冷静に運用を続けることが大切です。
複数回に分けて売却する
NISAの資産は、必要な分を複数回に分けて売却することが大切です。
売却するタイミングを分散させれば、価格変動リスクを抑えられるため、売却単価を安定させることにつながります。
必要な分だけを売却し、残りの資産の運用を継続すれば、資産の寿命を延ばす効果も期待できます。
旧NISAから売却する
旧NISAと新NISAの両方の資産がある場合は、旧NISAの売却を優先しましょう。
新NISAの非課税期間が無期限であるのに対し、旧NISAの非課税期間には期限が設けられています。
一般NISAは投資した年から5年間、つみたてNISAは20年間が経過すると課税口座へ移管されます。
非課税期間を終えて課税口座に移管されると、それ以降に得られた利益には約20%の税金がかかるので注意が必要です。
非課税期間に期限がある旧NISAの資産から売却し、利益を非課税で確定させましょう。
成長投資枠から売却する
新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠があります。
新NISAの資産を売却する際は、成長投資枠で運用している資産から優先的に検討しましょう。
つみたて投資枠の投資対象は、長期・積立・分散投資に適した投資信託を中心としています。
つまり、複利効果を最大化するためには、可能な限り運用を続けることが重要となります。
一方、成長投資枠は、個別株やETFなども購入でき、投資商品を入れ替えやすいのが特長です。
資金が必要になったときや、戦略的な再投資をしたいときは、柔軟性の高い成長投資枠の資産を優先して売却するのがよいでしょう。
NISAの資産の売却方法

ネット証券におけるNISAの売却方法は、以下のとおりです。
- 管理画面で売却したい商品を選択する
- 売却する口数や金額を指定する
- 取引パスワードを入力して注文を完了する
売却注文を完了しても、すぐに現金化できない場合があります。
投資信託や株式の売却代金が口座に入金されるまでには、2〜5営業日かかる金融機関もあります。
資金が必要な時期が決まっている場合は、入金にかかる期間を考慮して余裕をもって売却手続きをしましょう。
NISAを売却するときの注意点

NISAの資産を売却するときは、手数料がかかることがあったり、積立設定の停止には別途手続きが必要となったりする点に注意が必要です。
ここでは、NISAを売却するときの注意点を詳しく解説します。
手数料がかかる場合がある
NISA口座の資産を売却する際、商品によっては手数料がかかることがあるので注意が必要です。
たとえば、投資信託の売却時には「信託財産留保額」が発生することがあります。
信託財産留保額とは、信託財産から差し引かれる手数料のことで、ファンドの種類によって有無や金額が異なります。
想定外の出費を避けるためにも、どれほどの手数料がかかるのかを保有商品の目論見書や証券会社のWebサイトで確認しておきましょう。
積立停止をする手続きが必要になる
投資信託の積立設定は、保有商品を売却しただけでは停止されません。
商品をすべて売却したとしても、積立設定を解除しなければ翌月以降も設定日に買い付けが実行されます。
売却と同時に積立を停止したい場合は、証券会社のWebサイトから積立設定の停止手続きを済ませておきましょう。
NISAの資産は必要なタイミングで売却しよう
NISAの資産は、いつでも売却できるものの、短期売買を繰り返すと複利効果を活かせなくなります。
そのため、目標金額に達したときや、まとまった資金が必要になったときなど、運用状況やライフプランにあわせて売却を検討するのがおすすめです。
売却する際は、長期運用が前提であるつみたて投資枠の資産に手をつけず、柔軟性の高い成長投資枠の資産を優先して売却しましょう。
自分にあった売却時期を知りたい方や、売却後の資金の再投資・活用方法に迷っている方は、お気軽にご相談ください。
監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士


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